私と貴方の共同幻想

アイドルがアイドルしてくれる世界

私がいかにして薮宏太さんにたどり着いたか~28歳の誕生日を祝って~

 
 
単純な私がただの巡り合わせを簡単に運命と思い込んで約2年半が経ちました(Ignitionは名曲)。
 
薮くん、28歳のお誕生日おめでとうございます。
 
自担の誕生日にかこつけて、私がいかにして薮宏太さんにたどり着いたか記録に残しておこうと思います。
書こう書こうと思いつつ書けていなかったので、これを機に。
※だらだらと長いです
 
 
*
 
 
わたしのジャニオタデビューは高校2年生の時。
ちょうど仁亀がごくせんで人気を博し、デビュー前のKAT-TUNがガンガンに推されていた時期だった。
深夜に放送された冠番組を見て、ジャニーズの衝撃的なカッコ良さを知ってしまった私は、田口担としての歩みを始めた。
完璧なる茶の間だったけどそれでも初めてのジャニオタ生活はとても楽しかった。
livedoor blogを開設して他のファンと交流し、見逃した番組のビデオテープ(時代を感じる)を送ってもらったりした。
自担がCMをしたリップクリームのフレーバーの甘さに、自担への恋心を重ねて切なくなったりした。
ラジオ番組をクリアな音質で聞くために毎週深夜に座っていた寒い窓辺で、合間に流れる綾香の三日月を聴いて、彼もこの三日月を見ているだろうかと切なくなったりした。
恋心募らせて切なくなりがちなオタクであった。正直、今もあまり変わっていない。
 
少額のお小遣いの中から厳選して買ったアイドル誌は、今でも実家に積まれている。
その中に、今思えばJUMPのメンバーも載っていた。
しかしながら、高校生の時って同世代以下の男の子なんか一切カッコよく見えなかったためにあんまり印象がない。
例えば伊野尾ちゃん。眉毛の凛々しいJJの子。やおちゃん。ヤーヤーヤーの八重歯の子。
(少クラを見ていたら全然違ったのだろうけど、実家はBSを契約していなかった。)
そんな薄い記憶の中で、現自担に思っていたことをあえて思い出そうとすると、
あー、こういう子同級生にいるよね。少年サッカーとかに。絶対好きにならないタイプ」でした。ごめんね。
 
 
KAT-TUNのデビューを喜んだり、赤西仁の留学を嘆き悲しんだりしながら、私は大学生になり、大学生活の忙しさから自然とジャニーズからは足が遠のいていった。
(途中一瞬の暇をついて井上聡に人生狂わされそうになったりしたがその話は置いておく。)
 
そしてなんやかんやあって大人になり、私は再びKAT-TUNに出会った。
もうその時には、メンバーは4人に減っていた。
デビュー当時には、ギラギラオラオラし、時にギスギスが見え隠れしていた尖ったお兄さんたちは、なんだか丸くなって仲良さげになっていた。
その中に、私のかつての王子様であった田口くんが、全然変わらずに、大きい口を開けて朗らかに笑っていた。
蘭丸という愛されるべき役を与えられ、苦手だった歌も驚くほどうまくなり、彼のカッコ良さがジャニオタにもようやく浸透していた
以前はあまり全体の中でフィーチャーされることがなかった彼が、KAT-TUNの4分の1をしっかり担っている。
とてもうれしかった。
しかも、KAT-TUNの楽曲は相変わらずめちゃくちゃカッコよく、私好みだった。
偶然取れてしまったquarterコンに参戦した私は、一気にそれまでのシングル、アルバム、DVDをあらかた買い揃えた。
 
再開したジャニオタ生活において以前と違ったのは、その交流場所Twitterに移っていたことである。
Twitterは偉大だった。探さずとも大量に情報が入ってくる
そんな中、2015年夏、巻き起こり始めていたのが「伊野尾革命」であった。
私のタイムラインにも、とんでもなく可愛いchau#の伊野尾ちゃんがRTされてきた。
そこで私は思い出した。あーこんな子いたな。なんか、すごく変わったなと。眉毛どこいった?と。
世間は24時間テレビに湧いていて、その盛り上がりっぷりにあてられ、何となく私もその波を覗いてみたくなってきていた。
そんな夏の暑い日、涼みに入ったコンビニで、ananの表紙にJUMPを見かけた。
あ、話題の。そう思って気軽な気持ちで開いたところに、伊野尾慧
 
思わず声が出かけた。
あの、眉毛の凛々しい和風な顔立ちの(と認識していた)お坊ちゃんが、完全なるあざとさを身に着け、ぬるっとした甘さでもって、誌面のこちら側の私を引きずりおろそうとしている。
いつの間にこうなった。
さらに衝撃だったのは、伊野尾慧、の後ろに付いた(26)という表記だった。
恐ろしいことに同い年だったのだ。(これは後に勘違いとわかる、年下でした
Hey! Say! JUMPはショタ集団だと思い込んでいた私に、彼らをじっくり見てもよいんだというゴーサインが出た感じだった。
 
私は伊野尾慧について夢中で調べ始めた。
それはそれは、恐ろしく可愛かった。そう、気づいてしまったのだ。伊野尾が可愛いって。(岡田先輩……)
しかし更に伊野尾慧の恐ろしいのは、ルックスだけの見掛け倒しではないところだった。
内面についても興味深い話がザクザクと出てくる。
建築学科を出ている。あのルックスで適当発言連発の、平成の高田純次というキャッチフレーズ。苦労話は一切しないというポリシー。メンバーへ恩返しがしたいと思っていること。
「素晴らしい。ただただ素晴らしい。伊野尾慧という人は。」と当時の私はTwitterで呟いている。
 
 
そして私がついに再び薮宏太を認識したのは、伊野尾さんのメイキング集の中の「薮が一番かっこいいです」「キモッ、お前俺のファンかよ」だった。
あ、あの薮くんか。大きくなったな~くらいのもんで、顔がタイプではないことに変わりはなかった。でもなんかひたすらニコニコしているので、好印象ではあった。
しかしながら、やぶいのに萌える予感がした。
そう、私は推しができたらその周辺との関係性を探って萌えを見出そうとするタイプのオタクであった。
やぶいのに萌えるために、私は薮くんに注目しだした。
 
当時のツイートを見ると、薮くんがJUMPの最年長かつ帝王であることを知ってからなぜか呼び名が薮先輩に変わっている。
成長した薮くんの事を何も知らなかった私が最初に抱いた薮くんの魅力が「先輩み」であった。
15年9月9日のツイートをそのまま引用する。

薮先輩はリア恋枠だと思うの。
posted at 20:36:13

流出の件とか好きになってから知ったけど、見ても全然ショックじゃなかった。…薮先輩には優しい、酷い人であってほしいという願望
posted at 20:36:21

いつもおじいちゃんみたいな笑顔で学部の控え室に居て欲しい。あ、薮先輩今日もいる…やっぱりにこにこしてるなあって遠目に見たい。たまに、あ、○○ちゃんだ~って手とか振られたい。頭ぽんぽんされて軽率にドキドキしたい。でもあの人実は結構えげつないことしてるよ、って友だちに諭されたい。
posted at 20:41:33

すごい。いきなり拗らせている。
やぶいのに萌える予定がうっかり薮先輩に恋する夢女子を始めてしまっている(しかも、自分が薮くんより一つ年上であることをすっかり無視している)。
「顔がタイプじゃない」はどこへ行った
 
これはなんだかやばいなという自覚はあったが、それを更に加速させたのがその月の号のポポロだった。
洋館で9人の執事がお世話してくれる♡みたいなぶっ飛んだ二次元設定(ポポロさんいつもありがとうございます)で撮られた薮さんは、ノーブルなスーツをお召しになり、白手袋を付けた人差し指を(秘密だよ?)とばかりに唇に当てながら、少しばかり上から艶やかなウインクを落としていらっしゃった。
これがもう死ぬほどド性癖で、心臓が鷲掴みにされて砕け散るのを感じた。この人に見下されたいと思ってしまった。「薮先輩」から薮様」に呼び名が変わった。
 
そして、最終的にJUMPing CARの収録映像によって私はとどめを刺された。
口に手を当てて笑っている薮くん。向かいに座っている距離感で。ラフな、リラックスした表情でこちらを見ながら。笑っている。
 
心の底から震えた。
 
「恋はするものではない、落ちるものだ」というのは何が出典だったか忘れたけれど至言だなと思う。
あの瞬間、それはそれは見事にすこんと落ちた。ああ、もうこれは恋なのだ。恋してしまったのだ、と全身が確信した。
 
 
そう、だから、あれから今に至るまでの私の薮くんへの思いを一言で表現するなら「片想い」だ。
約2年半、本当に素敵な「片想い」をずっとさせてもらっている。
 
叶える必要のない片想いはひたすらに気楽で楽しく、幸せだ。
例えて言うなら、学生の頃、憧れの先輩を遠目から毎日観察して、今日の先輩はここがかっこよかったなあとか、何てことない仕草に一方的に心ときめかせるようなものだ。
 
残念ながら私の青春時代は終わってしまっていて現実の世界で誰かに恋をすることはもうNGだけれど、アイドルへの片想いは限度を弁えていれば既婚であっても(言い方はあれだが)合法だ。アイドル最高。
しかも自担はファンとアイドルという間柄においては「両想い」だと思わせてくれることもあってそれがまた幸せだ。
 
この幸せな間柄がずっと続いていくことを願うけれど、永遠なんてないんだということを身をもって知らされているオタクとしては、薮くんが日々アイドルであることを選んでいてくれることを感謝してひとつひとつを大事に受け取っていこうと思っている。
 
あの日勝手に運命を信じ込んでしまったのが薮くんで本当によかった。あなたは最高の自担です。誕生日おめでとう。